開成卒業生が語る中学受験

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58.算数克服に向けた「割合と比」の攻略とテクニック5項目

今回は、中学受験攻略に不可欠な算数、特に「割合と比」にまつわる話をまとめてみました。

割合と比の重要性

中学受験に成功するためには不可欠である、算数に強くなるために必要なことを考えてみます。

世の中には算数に関する色々な公式やテクニックが溢れています。
速さの3原則「キ・ハ・ジ」、立体の切断面の書き方、…です。
私が考えるに中学受験の算数において求められる内容は、「割合と比」、ほぼここに尽きます。
感覚的にですが、算数の偏差値アップには 計算力:割合と比:その他=3:5:2 ぐらいの強化が必要ではないでしょうか。
「割合と比」、もっと言えば「単位量あたり」と「その比」が重要です。
例えば、
速さ :単位時間あたりに進む距離(とその比)
食塩水:単位量あたりに含まれる食塩水の量(とその比)
仕事算:単位量あたりにこなす仕事の量(とその比) …いくらでも出てきます。
図形については、相似がこれに当てはまります。
単位量あたりにおける長さ、面積、体積(とその比)などです。
したがって、「単位量あたり」という概念を持つことが算数の得点力や偏差値アップにつながります。
人気校や倍率の高い中学に限らず、どの学校についても「割合と比」を使わずに合格ラインに達するのはほぼ不可能です。
何気なく使いましたが、「倍率」というのも割合ですね。
 

 

例えば、野球

少し話がそれますが、野球をやっているお子さんは単位量あたりという概念を強く持てる傾向がありますね。
打率、防御率、勝率、…「率」というフレーズがたくさん出てくるからです。
「単位量あたり」という概念に触れる機会が多いことが要因だと思います。
もちろん、野球をやっていないお子さんでも「割合と比」に強くなることはできます。
もともと割合とか比という概念に強い子はいますが(少数派でしょう)、ここではそれほど強くないことを想定しています。
 

 

単位に着目

「割合と比」に強くなる近道、結論としては「単位に着目」することがポイントです。
割合に関して何が話をややこしくしているかというとテキストです。
割合単元になると必ず出てくる「割られる数」「割る数」のフレーズ。
どちらがどちらだか分からないから理解が深まらないし、「地球は自転している」ぐらい実感の沸かない抽象的なフレーズです。
アプローチにはまず、単位に注目します。
 
①単位が同じ場合
例えば食塩水の問題。食塩も食塩水も単位は同じグラムです。
ややこしいことは抜きにして「小÷大」で%や歩合が求まります。
120%とか13割5分8厘を求めるような問題はありません。
 
②単位が違う場合
例えば速さの問題。
距離、速さ、時間と異なる単位が出てきます。
速さはm/分などで表記されますが、これは分子/分母を表しています。
ですから速さm/分を求めるには距離(m)÷時間(分)となります。
あとは単位を適切な形に直せば大丈夫ですし、 ここまでが第一歩です。
 
これらが腑に落ちるようになったら次の段階に進みます。
また、ここまでの内容にはいくらかの例外はあります。(例:倍率)
が、まずはその点を気にするレベルに達することが目標です。慌てずに進みましょう。
 

 

異なる単位が出るのは

単位を観察してみると分かることですが、中学受験において「割合と比」に関わる問題では異なる単位が出るのは速さに関わる問題だけです(極論ですが)。
速さを求めるには、「秒、分、時間、日」と「距離、個数」。
この2種類さえ区別がつけば十分なのです。
そして、この2種の区別がつけば、速さの関わる問題、
「き・は・じの3原則」
「線分図利用の問題」
「時計算」
「仕事算」… へと応用範囲が広がっていきます。
 
これらは普段の声掛けで意識付けをすることができます。
例えば、日々の計算問題、10分で10問解けたとしましょう。
このときの回答速度は10問/10分 = 1問/分です。簡単ですね。
しかし、秒速にすると途端に正答率が下がります。見てみましょう。
答えは、10問/600秒 = 1/60問/秒となります。単位を考えればすぐに分かります。
一方で、単位に目がいっても分数計算に苦手意識のあるお子さんは 600/10=60秒/問
というような計算をしてしまいます。
これは、速さではなく1問あたりにかかる時間です。
どうしてこういうことが起きるか。分数計算を避けたがるからです。
割合や速さの問題では計算力、特に分数計算を並行して鍛えることが重要です。
こういったことを時計に関して、仕事(手伝い)に関して、…投げかけをすることで意識づけができていきます。
 

 

いくつかのテクニック

せっかくですので、速さや比に関わるテクニックをお伝えしておきます。
ただし、当然のことながらこれらは正攻法ではありません。
あくまで自力で解く力を着けることを目標になさってください。
それから、「そんなこと知ってるわ」という方は聞き流してください。
 
①旅人算
例:1000m離れた300m/分のA、200m/分のBが向かい合って進むとき、出会うのは何分後か?
典型的な旅人算です。向かい合っていますので、速さの和で割りますね。
1000÷(300+200)=2分後 です。
では、2人が互いの出発点を往復したとき、2回目に出会うのは何分後か(1回目は2分後) 1瞬で分かります。6分後です。
3回目に出会うのは10後です。 理由はぜひ、お子さんと考えてみてください。
1回目までと2回目までの時間(距離も)は3倍の関係になります。 この例では2分×3=6分 です。
また、1回目までと3回目までの時間(距離も)は5倍です。
以下、同様ですのでぜひ試してみてください。
最も重要なことは、中堅校における旅人算では
(1)(最初の問題)で1回目までの時間を求めさせ、
(2)(次の 問題)で2回目までの時間を求めさせる 問題が多いことです。
(1)が解ければ、(2)は3倍すれば間違いはありません。
さらには時間を大幅にカットすることもできるのです。 (出発時間がずれる等、変則的な問題は除きます。)
 
②ダイアグラムの問題
旅人算の応用として、縦軸を距離、横軸を時間とするダイアグラムの問題があります。
この問題は旅人算として解いてはいけません。 相似の問題として扱います。
ダイアグラムはその性質上、必ず「クロス型の相似」が現れます。
「相似」は結局、「比」に帰着することになるわけですが、図形の問題として相似比を抑えていけば多くの問題はすぐに解けます。
具体例を示すと大変なことになるので、塾の先生に持っていってみてください。
反応が楽しみです。
 
③時計算
時計算は分数計算が絡むので嫌がるお子さんは多いですね。
これからお示しする方法は、
・テストで残り時間が少なく
・それでも何か書いて正解に近づけよう(絶対ではありません)
という邪道なものです。
結論から言うと時計算の答えは□・△/11(□+△ は10の倍数)となります。
※3・7/11は「3と11分の7」のように読んでください。
例:1時から2時の間で長針と短針が重なる時刻を求めよ。
まずは、見込みを立てます。(ここが一番重要!)
重なるとしたら5分から6分の間、もしくは6分から7分の間ぐらいの見込みは立てられるでしょう。
すると答えは1時5・5/11分(5分から6分の間)、
もしくは1時6・4/11分(6分から7分の間)になる確率が高いです。
その上で私なら前者を選びます。 実際、答えは前者です。
お子さんと確認してみてください。
ただし、本来、時計算に強くなるには 11/2 の割り算、
したがって 2/11 のかけ算を怖がらずにできるようにすることです。
この計算抜きに正解には絶対に辿り着けません。頑張りましょう。
 
④計算結果の見込み
例えば、7128÷352 のような場面があったとしましょう(極端な例を挙げています)。
答えは 20 ぐらいになることがすぐ分かります。なぜなら 7000÷350 = 20 だからです。
ですから、ひっ算を始めるときもまずは 2 を立てるのがいいでしょう。
実際、答えは20.25 となります。
見込みを立てて計算をすることには2つのメリットがあります。
1つは「解答の予想がつくこと」
もう1つは「解答に矛盾がないかを確認できること」です。
1度の計算で正解できるのはベストに違いありませんが、計算結果が誤っていることに気づき、改めて計算しなおし、正解に辿り着くことも重要なのです。
これと、以前の記事でお話しした「倍数の取り扱い」を併せて計算するようにすれば、計算ミスはほぼなくなります。
 
ちなみにこの話は「およその比」を求めるという意味で書かせていただいています。
以上、「割合と比」についてでした。別のアプローチがあればまた整理してみたいと思います。
 
 
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。
お子さんについての具体的なご質問等、右記のお問合せで受け付けております。
ぜひ、遠慮なくお問合せください。
↓ 以下にたくさんの役立つブログがあります。私も参考にさせていただいています。 
 
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